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建設業許可制度について、ご存じですか?制度の内容や要件などにつて解説します。

建設業許可をする目的とは

建設業許可の目的は、建設業法で、「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与すること」と定めています。
 つまり建設工事の適正な施工確保による発注者の保護建設業の健全な発達が許可する目的となっています。このことから施工業者は一定金額以上の工事を請け負う場合建設業許可を受けなければなりません。

建設工事の適正な施工確保のよる発注者保護

 建設工事の適正な施工を確保し、手抜き工事や粗雑工事などの不正工事を防止するとともに、さらに積極的に適正な施工を実現して、発注者の保護を図るため、工事を発注する前に、一定の基準を満たしている施工業者を選別し、不正工事などを未然に防ぐ目的があります。
 また、許可要件に基づき、一定の資格、経験のある「専任の技術者」を選任する必要があるため、建築物や土木構造物の適正な施工が確保されます。

建設業の健全な発達を促進

 建設業は、個人生活や社会生活の基盤となる施設の整備を担う産業で、国民経済の発展に関与しています。この建設業が調和のとれた産業として発達することは公共の福祉の増進につながるものです。建設業許可を取得する建設業者が増えるということは、発注者の保護に限らず、建設業の健全な発展の促進につながりますし、社会全体としての利益に貢献することになります。

建設業法の目的達成するための手段

建設業法は、目的を達成する手段として、建設業を営む者の資質の向上建設工事の請負契約の適正化を図るとしています。

建設業を営む者の資質の向上

 建設業を営む者の資質の向上を図るために建設業の許可制度があり、施工技術の確保と向上を図るための技術検定制度があります。

建設工事の請負契約の適正化

 発注者と請負人、元請負人と下請負人の間に交わされる請負契約をより公正かつ平等にすることによって、請負人、特に下請負人の保護を図ろうとするものです。
 具体的には、請負契約の原則の明示、契約書の記載事項、一括下請負の禁止等の制度があります。
 その他、法の目的を達成するため、建設工事紛争審査会の設置、建設業者の経営事項審査制度、建設業者及び建設業者団体に対する指導監督の制度があります。

建設業の許可について

 建設業を営む企業は、軽微な建設工事のみを請け負って営業する場合を除き、「建設業許可」を取得すると、技術的にも経営面でも信頼性がアップし、営業面でも有利になります。
 建設業の許可には、大きく分けて「一般建設業許可」「特定建設業許可」があり、許可を受けるところが国土交通省大臣か都道府県知事かの区別があります。さらに、建設工事は現在29業種に分類されており、その業種ごとに許可を得なければ工事につくことができません。
 ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいとされています。ここでいう軽微な工事とは、次の建設工事をいいます。

○建築一式工事については、請負代金の額が1500万円未満の工事、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
○建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金が500万円未満の工事
 ※上記金額には取引に係る消費税及び地方消費税の額を含みます。


建設業許可を取得するメリット

 「建設業許可」を取得すると、社会的信用を得ることができ、ビジネスチャンスを生み出すことが可能となるなど、さまざまなメリットが受けられるようになります。
○これまで受注出来なかった規模の工事を請け負うことが可能
○建設業許可を取得し、経審(経営事項審査)を受け、入札参加資格を取得すると、公共工事への入札が可能
○取引先の確保や業務獲得の機会が増える
○適正な工事を請負、施工し、健全な経営を行ってきたことの証明とみなされる
○建設業許可を有していると、融資を得やすくなる など

建設業許可を取得するための要件

建設業許可を取得するための要件として、「経営業務の管理責任者を有していること」「専任の技術者を有していること」「誠実性を有していること」「財産的基礎又は金銭的信用を有していること」「欠格要件に該当しないこと」の5つの要件があります。

経営業務の管理責任者を有していること

 経営業務の管理責任者とは、建設業の経営について総合的に管理した経験があり、対外的に責任を有する地位にあることをいいます。
 法人では常勤の「役員」、個人では「事業主または支配人」にあたります。

専任の技術者を有していること

 専任の技術者とは、高校または大学において工事に関する学科を卒業し、国土交通大臣が定める基準をクリアした人物のことです。
 事業所に専任かつ常勤で勤務していなければなりません。

誠実性を有していること

 請負った契約に対して、不正または不誠実な行為をするおそれがない企業であり、役員や従業員が誠実であることが求められます。

財産的基礎または金銭的信用を有していること

 申請直前の決算において自己資本額が500万円以上、または500万円以上の資金調達能力がある、あるいは申請時点で5年以上許可を得て営業をしているといった条件のうちのどれか1つを満たしていることが必要になります。

欠格要件に該当しないこと

 申請者または法人の役員などが、法令で定められた欠格事由に該当していないことを証明する必要があります。

経営事項審査をご存じですか

 官公庁が発注する建設工事競争入札に参加するためには、あらかじめ各官公庁の有資格者名簿に登録される必要があります。そのためには、一定の条件を満たすかどうかの審査を受けなければなりません。
 この審査のための申請が競争入札参加資格申請です。競争入札参加申請は、契約を希望する各官公庁ごとに申請する必要があります。また、一定金額以上の公共工事の入札に参加するためには経営事項審査を受けなければなりません。
 経営事項審査とは、公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模・経営状況などの客観事項を数値化した、建設業法に規定する審査をいい、略して経審とも呼ばれます。
 この経審を申請するには、建設業許可を受けていることが絶対条件となっています。さらに、許可後に生じた各種の変更届をもれなく提出してあることも必要です。

まとめ

 今回は、建設業の許可制度について解説しました。
 建設業許可には、1件の工事代金や元請・下請、営業所の所在地などにより取得する許可が異なり、それにあわせて申請書類が決まっています。そのため、「建設業許可」を取得するには、建設業法に沿った多くの書類を作成しなければなりません。当事務所は、行政書士業務として建設業許可関連の申請等、多数の実績がありますので、お気軽にご相談ください。

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