
農地の遺産分割において、相続人が農業経営に寄与したことに対して相続分で考慮されるのかについて、解説します。
寄与分について
相続分は原則として法定相続分によりますが、場合によっては、寄与分の制度によって、数十年農業経営に寄与してきたことが考慮されます。具体的な寄与分の認定は、共同相続人の協議
によって定まります。共同相続人間で協議が整わないときまたは協議ができないときは家庭裁判所における調停または審判で定められることになります。
寄与分という制度は、共同相続人の中に、被相続人と共同して農業や家業の経営に従事して被相続人の財産の形成・維持について特別に貢献した者がいる場合に、被相続人の遺産を分割するにあたって、被相続人の財産の形成・維持に全く貢献のない他の共同相続人と同様に法定相続分を相続するという取扱いをしたのでは実質的に不公平であることから認められたものです。寄与分制度によって、法定相続分に、寄与に相当する額を加えた財産の取得が認められることになり、共同相続人間の公平が図られることになります。
によって定まります。共同相続人間で協議が整わないときまたは協議ができないときは家庭裁判所における調停または審判で定められることになります。
寄与分という制度は、共同相続人の中に、被相続人と共同して農業や家業の経営に従事して被相続人の財産の形成・維持について特別に貢献した者がいる場合に、被相続人の遺産を分割するにあたって、被相続人の財産の形成・維持に全く貢献のない他の共同相続人と同様に法定相続分を相続するという取扱いをしたのでは実質的に不公平であることから認められたものです。寄与分制度によって、法定相続分に、寄与に相当する額を加えた財産の取得が認められることになり、共同相続人間の公平が図られることになります。
寄与分が認められる場合

寄与分が認められるためには、民法904条の2第1項の要件を満たし、「特別の寄与
」が認められる必要があります。その一つとして「被相続人の事業に関する労務の提供」が規定されています。例えば、他の相続人は農業には全く従事せず、相続人の1人が長年農業に従事されていた場合、「被相続人の事業に関する労務の提供」をしたと考えられます。
ただし、寄与が認められる典型的なケースは、無償で仕事をしていた場合であり、給料等の相当な対価を得て仕事をしていた場合は、寄与分は認められないことになります。また、給料はもらっていたが社会的にみて著しく低い金額であったとか、給料は出ていなくても、謝礼をもらっていたような場合には被相続人との関係が、金銭的に決済されていたか否かを実質的に判断されることになります。また、遺産は農地ですから、被相続人の代わり相続人の1人が農業経営を行った結果、遺産として農地を維持することができた場合、すなわち、この相続人の労働がなければ、遺産である農地を手放すことになる可能性が強かったが、手放さずに済んだような場合にも寄与分が認められる余地があります。
」が認められる必要があります。その一つとして「被相続人の事業に関する労務の提供」が規定されています。例えば、他の相続人は農業には全く従事せず、相続人の1人が長年農業に従事されていた場合、「被相続人の事業に関する労務の提供」をしたと考えられます。
ただし、寄与が認められる典型的なケースは、無償で仕事をしていた場合であり、給料等の相当な対価を得て仕事をしていた場合は、寄与分は認められないことになります。また、給料はもらっていたが社会的にみて著しく低い金額であったとか、給料は出ていなくても、謝礼をもらっていたような場合には被相続人との関係が、金銭的に決済されていたか否かを実質的に判断されることになります。また、遺産は農地ですから、被相続人の代わり相続人の1人が農業経営を行った結果、遺産として農地を維持することができた場合、すなわち、この相続人の労働がなければ、遺産である農地を手放すことになる可能性が強かったが、手放さずに済んだような場合にも寄与分が認められる余地があります。
寄与分の決定方法
(1)共同相続人間の協議
寄与分は共同相続人間の協議で決めることが原則です。
(2)家庭裁判所における調停・審判共同相続人間で寄与分についての協議が調わないときまたは協議できないときは、寄与分を主張する者が、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所に調停または審判を申し立てることになります。家庭裁判所に調停のみを申し立てることは可能ですが、家庭裁判所に寄与分の審判申立てをする場合は、遺産分割の前提になるので、遺産分割請求と同時か遺産分割事件が家庭裁判所に係属している場合に限られます。
寄与分は共同相続人間の協議で決めることが原則です。
(2)家庭裁判所における調停・審判共同相続人間で寄与分についての協議が調わないときまたは協議できないときは、寄与分を主張する者が、相続が開始した地を管轄する家庭裁判所に調停または審判を申し立てることになります。家庭裁判所に調停のみを申し立てることは可能ですが、家庭裁判所に寄与分の審判申立てをする場合は、遺産分割の前提になるので、遺産分割請求と同時か遺産分割事件が家庭裁判所に係属している場合に限られます。
寄与分の具体的算定方法について
たとえば、共同相続人が3人、農地の価額が1,000万円、その他預貯金等の資産が3,000万円として、相続人の1人に農地分1,000万円の寄与分が認められる場合ですと、相続開始時の財産合計4,000万円から寄与分1,000万円を控除した3,000万円が相続財産とみなされますので、寄与した相続人は3,000万円÷3 =1,000万円に寄与分1,000万円が加算されるということになります。
まとめ

(1)寄与分の認定は、共同相続人の協議によって決める。
(2)共同相続人間で協議が整わないときまたは協議ができないときは家庭裁判所における調停または審判で定められる。
(3)寄与分が認められるためには、被相続人の事業に関する労務の提供などの特別の寄与が認められる必要がある。
今回は、農地の遺産分割において、相続人が農業経営に寄与したことに対して相続分で考慮されるのかについて、解説しました。当事務所は、農地の相続や遺言について、多数の実績がありますのでお気軽にご相談ください。
具体的なご相談をご検討の方はこちらをご覧ください
(2)共同相続人間で協議が整わないときまたは協議ができないときは家庭裁判所における調停または審判で定められる。
(3)寄与分が認められるためには、被相続人の事業に関する労務の提供などの特別の寄与が認められる必要がある。
今回は、農地の遺産分割において、相続人が農業経営に寄与したことに対して相続分で考慮されるのかについて、解説しました。当事務所は、農地の相続や遺言について、多数の実績がありますのでお気軽にご相談ください。
具体的なご相談をご検討の方はこちらをご覧ください